p16
小児ぜんそくの場合、身体の成長に合わせて肺も大きく成長することで、肺機能は自然とアップします。

p17
ぜんそくは過労やストレスが大きく影響する病気でもあります。

pp42-43
吸入ステロイド薬は他のステロイド剤と違ってほとんど副作用がありません。しかし、「ステロイド」というだけでそれが悪いものと決めつけ、拒否反応を示し、薬の服用を拒んでいる人も少なくはないのです。

pp75-76
ぜんそくの患者の中には、病名がわからないまま病院を転々とさまよう、いわゆるドクターショッピングに陥った経験がある人も多くいます。あるいは、「身体に異常がないなら、心因性の病気ではないだろうか」と考え、心療内科を訪れる人も多数見られます。

pp78-79
ぜんそくの症状は実にさまざまで、典型的な症状がそろっていないぜんそく患者も大勢います。しかし、固定観念が邪魔をして正しい診断が下されない。そのようなケースはたくさんあるのです。

p87
ちなみに、私のクリニックでは、ぜんそくの診断をする際、当たり前のことですが、ぜんそく以外の疾患の可能性も視野に入れ、ときには類似疾患を疑い、その疾患を特定する、あるいは除外するための検査もいろいろと行っていきます。必要とあれば、他の専門医や適切な機関などを紹介することも厭(いと)いません。それが医師として当然の行為であり、患者のためであると考えているからです。

p117
アレルギー性の咳、とくにぜんそくの咳の場合は、深夜から夜明け前にかけてひどくなることが多いという特徴があります。ぜんそくは「夜の病気」と呼ばれるほど、夜にその症状が表れます。

p144
肺の奥の機関誌は1本が2本に、4本に、8本に、16 本にと倍々に増えていって最終的には1万本程度に分かれます。

p165
ぜんそくの発作は「深夜」と「明け方」に多く、昼間は少ないのが一般的です。これは、睡眠食うにステロイドホルモンの分泌量が低下したり、気管支を収縮させる副交感神経が優位となって、発作が起きやすい状態になるからだといわれています。

pp183-184
ぜんそくという病気は、好きなことに熱中しているときは発作の症状が出にくいという特徴があります。ですから、症状がうまくコントロールできているときに趣味やスポーツ、旅行などを楽しみ、気分転換するのはとてもいいことです。

pp190-191
ぜんそくには飲酒によって症状が悪化する「アルコール誘発ぜんそく」というものがあり、とくに日本人はこのアルコール誘発ぜんそくを起こしやすく、ぜんそく患者の約6割が、飲酒後にぜんそくの発作が引き起こされたり症状が悪化することがわかっています。

p196
食べすぎないことです。過食すると横隔膜が胃に押し上げられ、呼吸運動が制限されることがあります。食べすぎが原因でぜんそくの発作を起こすという患者も、ゼロではありません。

p228
「寛解」という言葉をご存じでしょうか。これは、症状が一時的に軽くなったり、消えたりする状態を指します。もっといえば、症状はいい方向に安定し、このまま病気が治るケースもありますが、再発する可能性もあるという状態です。いわゆる「完治」と勘違いされて使われることがありますが、「完治」は完全に治った状態。完全に治ったとはいえない「寛解」は「完治」とは違います。