月例の読書会に参加してきた。課題本はスティーブン・R・コヴィーの『7つの習慣』だ。

『7つの習慣』の原書 “The 7 Habits of Highly Effective People” が出版されたのが、1989 年。日本版が初めて出たのが 1996 年。いろいろなバージョンが出ているので、今回の読書会はみんなバラバラの本を持っていたのが面白かった。私は以下の本だ( 2016 年5月1日初版発行『完訳 7つの習慣―人格主義の回復』)。

それぞれが持っている本が違うので(Kindle の人も私のグループでは2人いた)、みんなで同じ箇所を参照するのが少し大変だった。

『7つの習慣』は名前は聞いたことがあった。いろいろな本にその名前が出てくるからね。しかし読書好きを自称し、ビジネス書もよく読む私だけど、今回初めて読んだ。

例によって読書会の1ヶ月前に1回目を読み、関連本を読んでから、再び読書会直前に2回目を読むつもりだったが、旅行やら帰省で時間が取れず、2回目をちゃんと読めなかった。だから、記憶が曖昧なままで読書会に参加した・・・。

関連本として読んだのが以下。

『スティーブン・R・コヴィーの至言』
『スティーブン・R・コヴィー ザ・ラスト・メッセージ』
『7つの習慣 最優先事項』
“The 7 Habits of Highly Effective People”

最後のは原書だけど、平易で読みやすいほうだと思う。『スティーブン・R・コヴィー ザ・ラスト・メッセージ』は 2011 年に来日した際の講演をまとめたもので、講演の DVD も付いている。DVD を見ると、本で読むだけよりも、またリアルに彼のメッセージが伝わってきた。映像では 77 歳ぐらいだと思うけど、堂々としていて若々しかった。

また読書会には間に合わなかったけど、『第3の案』のオーディオブックも現在聞いている。このオーディオブックは最近よくある MP3 の音声データなので、パソコンやタブレット、スマートフォン等で再生しやすい。しかも同封されたパスワードを入力することで、ウェブで2倍速版もダウンロードできるようになっている。たしかに、こういう本を読む人は2倍速でオーディオブックを聞いてそう・・・。

『7つの習慣』を最初読んだときは、「素晴らしいことが書いてある!」と思った。私が買った特装版の書籍はデザイン的にも聖書っぽいので「まさにバイブルとすべき!」とも思った。

7つの習慣のどの習慣にも納得したが、特に第1の「主体的である」が私に必要なんです。身近な例だと、奥さんの家族に会うといつも「巻き込まれている感じ」がして、言いなりになっているのがツラい。車の運転でも、本当は車線変更をしたいのに周りに車がいると「したくてもできない」状況になってしまう。家族の前で強引に自己主張したり、車線変更で無理矢理割り込むことはできなくはないが、それはそれでストレスなのだ。

主体性というのは、単に自分勝手でいればいいのではなく、周りとの良好な関係性が伴っていなければいけない。自信を持って自分から動けるようになれることだ。サラリーマン時代は主体的でないことが最大の苦痛だったので、現在フリーランスとなってすべて主体的に仕事をしていることにやりがいと感じている。しかし、それは基本的に周りに人がいない状況なので、他に人がいたり、組織の中で主体的になるのが私の課題だ。

さて、本書はその名の通り、人々が実践すべき「7つ」の習慣を提示してあるけれど、7つの習慣を統合する1つの習慣があることに気付いた。それは「原則に従って生きよ」ということ。いろいろな習慣はすべて、それらを実践し、人生で生かしていくことに意味がある。本書では明示的に書かれていないが、「原則に従って生きよ」ということが、一言で本書を説明する言葉になると思う。

では、7つの習慣にあえて批判的なことを言わせてもらうと、それぞれの習慣は一つとして完璧にするのは難しいということ。受け身になることは多いし(第1の習慣)、目先のことを優先して行動することもあるし(第2の習慣)、優先順位がごちゃごちゃになることもあるし(第3の習慣)、Lose-Lose になることもある(第4の習慣)。相手を理解できないことも多いし(第5の習慣)、そうなると相乗効果も生まれにくくなり(第6の習慣)、成果も生まれなくなる(第7の習慣)。どれも完全な実行が難しい。そういう習慣を「実行しなさい」と言われても、無理な相談だし、そうなるとそもそも「そんな習慣をする必要があるのか」と習慣そのものを疑ってしまう。まあ、もちろん、簡単に実行ができないような、高い目標を持つことは大事だとは思うんだけど・・・。

となると、私の買った特装版の巻末に付いている「問題解決のための索引」は役に立つかもしれない。具体的な状況別に、それが本書のどのページに書かれているかが分かるようになっている。

他にも読書会では仕事での主体性の話になったりした。サラリーマンをしながら、優先順位をきちんと守って仕事をしたり、主体性を保つことは難しい。優先順位がごちゃごちゃになり、受け身でいると、いい加減な仕事しかできない。本書でも「自分の会社の製品やサービスを家族や周りの人に勧めたいか」と自分に問いなさいと書かれてあったと思う。私はサラリーマンの頃の自分なら完全に「ノー」だった。

読書会では難しい本の読み方の読み方についての話もあった。読書というのは、自分の中の知識と照らし合わせながら読むものである。知識がなければ「反応」できないのだ。だから、関連本を読んで知識が増えると、難しい本が少しずつでも読めるようになる。それに、たとえちんぷんかんぷんでも、読んだあなたは以前より変化し、確実にレベルアップしている。読まなければ0のままだし、現状維持を続ける限り後退しているとも言える。

それにしても、以前読書会で扱った『修身教授録』(森信三)には「ガタガタうるさいな」と思ったのに、『7つの習慣』は素直に読んでしまう。この違いは何だろう。