[読書メモ][Kindle]『私はいくら?』

ファイナンスは場所も時代も超える、普遍的なスケールです。(Loc 64)

ファイナンスの知識は、経営者や投資家はもちろんのこと、ミドルクラスにも必須の教養になりつつあります。(Loc 72)

このように会計上では、「現金に変わりやすいもの」ほど優れた資産と考えているのです。(Loc 315)

「ヒト、モノ、カネ」の並び方にはどんな意味があるのか──? もうおわかりでしょうが、これは「将来的にキャッシュを生む力」が強い順番、すなわち企業にとって大切な要因の「優先度」を言いあらわしています。(Loc 331)

営業だけではなく、総務、経理、システムなどのいわゆるコストセンターといわれる部署も例外ではありません。コストセンターの場合は「いくら利益を出したか」ではなく「どれだけ業務を効率化し、いくらコストを削減したか」で考えて、貢献度の高い人を評価すればいいのです。(Loc 406)

こうした「肩書病」は大手企業の社員に比較的多く見られます。肩書の力と自分の実力を混同すると、あとで手痛いしっぺ返しを受けることになります。そうはなりたくないと思うなら、立派な肩書を得ることではなく、自分の価値を高めることを目標にしてください。(Loc 438)

社長になったつもりで働くと、日々の仕事がまるで違ったものになります。(Loc 445)

疑似社内起業によって具体的に何が変わるかといえば、まず目先の利益にとらわれることなく、長期的にキャッシュフローを生み出そうと考えるようになります。(Loc 450)

「自分はしょせん雇われの身だから」という気持ちでいるうちは、こうはいきません。目先のノルマを達成するため、あとさき考えず顧客に無理を強いたり、会社の利益なんか知ったこっちゃないとばかりに経費をムダ遣いしたりと、どうしても自分に甘くなってしまいがちです。(Loc 465)

会社は自分のものであり経費は自分の財布から出すものである。そう思えば自然とムダ遣いはしなくなるし、給与が増えればその分だけ会社にキャッシュをもたらさなければというコスト意識も強くなります。(Loc 480)

会社独自のものさしで良い評価を得て肩書がついたとしても、そんなものは会社を離れてしまえばほとんど意味をなさないのです。/そんな不確かな評価を気にして人事情報に翻弄されるくらいなら、自分の現在価値(PV)を高める方向に舵を切り替えたほうがずっと建設的です。(Loc 525)

人事情報に執着するということは、相対的にしかものごとを見られないということであり、自分の絶対価値を磨くマインドが低いと自ら告白しているようなものです。同時に人間的にも小さいとみなされ、評価されません。(Loc 536)

株や不動産ではなく、 自分自身に「投資」せよ(Loc 614)

「自分自身の価値」はたとえ貧しい家に生まれたとしても、本人の心がけと努力で無限に大きくすることができるのです。(Loc 622)

ミクロからマクロへ、各論から総論へ──。それが社会人の勉強の鉄則です。(Loc 734)

会社は巨大なおもちゃ箱だと思ってください。(Loc 807)

このように世の先生たちの多くは「顧客志向」が不足しがちになるのですが、それは逆に考えればチャンスであるともいえます。まわりの先生がみんな偉ぶっているなか、自分だけが顧客志向でやっていれば、それだけで大きな差がつくからです。/愛想が悪くて居丈高な先生と、にこやかで腰の低い先生──クライアントがどちらを選ぶかは考えるまでもありません。(Loc 945)

外資ではコピー取りといった雑務は外部のスタッフにアウトソーシングし、給料の高い自社社員はキャッシュを生む仕事に専念できるようになっていました。アウトソーシングのコストはかかるけれど、全体のキャッシュフローを考えてみれば、そのほうがはるかにプラスとなるからです。(Loc 989)

したがって「将来にわたって稼げる人」とは、〝将来にわたって稼げると、周囲に思ってもらえる人〟ということになります。(Loc 1110)

つまり、過去の実績そのものは企業にとって何の価値もないけれど、その実績から予想される将来のキャッシュフローは大変重要な意味をもつということです。(Loc 1120)

多少スロースターターでもかまいません。評価されるのは確実に仕事をこなし、将来にわたって継続的に力を伸ばす人です。(Loc 1148)

では、どうして頑張っているのに評価されないのかといえば、多くの人は「みんなと同じこと」をやろうとするからです。だから突出したスキルが身につかず、その他大勢の中にうずもれてしまうのです。(Loc 1360)

私がすすめるのは、狭い世界で第一人者になる生き方です。(Loc 1362)

評価される人になるには、目先の待遇ではなく「自分がやりたい仕事」を軸に、就職先を決めるべきです。さもなければ、長きにわたってキャッシュフローを生んでいくことなどできないからです。(Loc 1403)

神輿に乗っているだけの「働かない働きアリ」とは、キャッシュを稼ぐための努力を放棄し、人事情報を集めることに必死になったり、派閥内でうまく立ち回ることばかりを気にしたりするような人のことです。(Loc 1503)

実はファイナンスの世界では、お金の価値は時間とともに目減りしていくと考えています。(Loc 1653)

利回りの概念を持ち出すまでもなく、同じ仕事をするのなら早く片づけたほうがいいに決まっているのですが、世の中にはまったくアベコベの考え違いをしている人もいます。/仕事の成果ではなく働いた時間の長さを誇り、「あいつは一時間しかやっていないのに、自分は三時間も働いたのだから、自分のほうが偉い」と考えるのです。(Loc 1689)

それは正社員には通用しない考えです。予想キャッシュフローと割引率、どちらの観点からしても、不必要に時間をかけて仕事をするメリットはひとつもありません。(Loc 1694)

してもいい残業とは「この仕事が終わるまでは働こう」というように目的が明確な残業であり、一方、してはいけない残業とは「何時までは働こう」という〝残業のための残業〟です。(Loc 1701)

本人は申告を忘れていただけだと主張しましたが、そんな子どもみたいな言い訳が通るはずはありません。(Loc 1748)

取っていいリスクとは、「うまくいけばこれだけかるが、最悪の場合これだけ損をする」ということがわかっているリスクです。それがわかればリスクとリターンを天にかけて進退を判断することができます。(Loc 1806)

限りある人生を終えるとき、生きた実感をもっとも濃く味わえるのは間違いなく紆余曲折のある人生でしょう。(Loc 1831)

ファイナンスを知ってからというもの、私の世界は劇的に変わりました。ファイナンスという万能のものさしを得たことで、今まで見落としていた多くのものごとに気づけるようになりました。出世という相対的評価にこだわるバカらしさや、目先のキャッシュだけを追求する愚かさがわかったのもファイナンスのおかげです。(Loc 1860)

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