[読書メモ]『あれか、これか――「本当の値打ち」を見抜くファイナンス理論入門 』
- 読書
- 2017/03/04 Sat 13:35
p11
お金の本当の価値(の低さ)に気づき、現金原理主義という人生最大の呪縛から自由になれるという意味では、ファイナンスほど実践的な学問は存在しないのだ。
p30
あるものの価格とその本当の価値が等しいことはまずない。現実世界の価格には、かなりの恣意的ででたらめなものもある。
p38
銀座はいまだに1坪1億円という日本一の地価を誇る場所である。
p56
何よりも、すべての企業にとって決定的に重要な無形資産がある。/それはヒトだ。企業活動の源泉は、やはり従業員なのである。[…]会社を解散することで、たとえば清算価値分の現金1億円が手に入るかもしれない。しかしその背後では、その会社に蓄積されていた、有益なノウハウや強固な人的ネットワークといった膨大な無形資産が散逸している。会社の破産によって失われる価値は、清算価値の何倍、何十倍にも上るのである。
p64
あるモノがどれくらいのキャッシュフローを生む力(稼ぐ力)を持っているかという観点で、モノの価値を考えるのがファイナンスである。
p77
すべての出費は投資として考えられる。
p108
金利とは、[…]「一定期間にわたって現金(キャッシュ)を手放すことで生まれるデメリットに対する見返り」である。
p122
予想よりもいいことが起きる可能性、すなわちアップサイド・リスクこそがファイナンスの真骨頂なのだ。
p123
僕たちはリスクと聞くと、どうしても「危険性」のことを考え、足がすくんでしまう。
p124
人生を好転させる力は「リスク」にしかない
pp124-125
銀行員になるには仕事の能力意外に、組織人としての理不尽さに耐える資質も必要だったのだ。
p125
「いまの職場に残る」というのも1つの選択だということを忘れないでほしい。決断を先延ばしにしているように見えて、実はあなたは毎日、「いまの職場に残る」というリスクをとっているのだ。
p162
無借金経営の一形態として「名古屋式経営」という言葉を聞いたことがあるだろうか?名古屋を中心とした経済圏で見られる経営手法で、「石橋を叩いても渡らない」とも揶揄されるほどの、きわめて慎重な経営スタイルだ。借金を嫌い、利益は内部留保として蓄える。事業の急激な拡大や、高収入事業への参入にはとくに慎重で、事業の継続と手堅い収益性が最優先される。
p196
世の中の常識では、ハイリスク・ハイリターンかローリスク・ローリターンしかない。
p234
ノーベル賞経済学者のシャープの考え方は、市場全体を一種の有機体のように捉える発想だとも言えるかもしれない。
p272
DINKs 夫婦(Double Income No Kids’ つまり共働きで子どもを持たない夫婦)
p274
稼ぐ力を持っている限りは、やはり自分自身が価値を生む源泉になるのがいちばんです。
p275
生きていくうえで大切なのは、ただリスクを避けて逃げ回ることではなく、コントロールすることです。