価値の尺度として、お金が力を持ち出したのはつい最近のことである。(Loc 63)

本書のキーメッセージは「より充実した人生を送るために、お金に振り回されるのではなく、お金をコントロールしよう」というものだ。(Loc 93)

「とにかく綺麗でいたい」という自分の満足のためにスポーツジムに通っているのであれば、それは効用(感情的な満足度)を求めているわけで、消費に仕分けされる。(Loc 221)

ギャンブルに参加する個々人の中には、賭けに勝って得をする者もいれば、損をする者もいるが、総じて考えれば確実に参加者は損をしている。(Loc 256)

マンションに限らず、「買った時の価格以下では売りたくない」と取得価格(原価)に固執する人がいる。損をしたくないという気持ちは理解できるが、時価と原価は別物である。(Loc 415)

なぜなら「今日の100円は明日の100円より価値がある」からである。これは「将来受け取る予定のお金は現時点で価値が下がる」ことを意味している。将来受け取るお金には、受け取るまでの時間に応じて金利がつき、額が増えるからだ。(Loc 468)

「年齢を重ねるほど時間の流れが速く感じる」という感覚は『ジャネーの法則』と呼ばれている。(Loc 747)

人間にとって確率が苦手なのは、現実には事実が一つしかないからでもある。確率論は様々な標本から一定の割合を導き出すものだが、現実には一度のトライで結果が出てしまうものが多く「もう一度」ができない。(Loc 946)

偶然を運命として考え、何か特別な意味を見つけてしまう傾向がある。(Loc 950)

人が感じる効用(満足度)は3億円と100億円にそれほどの差はない。(Loc 1223)

行動経済学の祖、ダニエル・カーネマンの提唱した理論の中に「人は低い確率を過大評価し、高い確率を過小評価する」という考え方がある。(Loc 1236)

飛行機に比べると何百倍も事故率の高い自動車に乗る時に事故のことをほとんど考えない人が、事故率が低い飛行機に乗ることを怖がる場合がある。この場合も、飛行機事故が起こる確率を過大評価してしまうことになる。(Loc 1239)

シャンパンは一回封を開けたら飲み干さなくてはならないが、ウイスキーはちびちびと自分の好きな分だけ楽しめるからだ。最初の一杯の効用の高さを考えれば、トータルでウイスキーに軍配が上がることになる。(Loc 1296)

人間は金持ちになればなるほど、資産を増やすことの喜びより資産を減らすことの恐怖のほうが大きくなる。「増やさなくてもいいから減らさないでほしい」というわけだ。(Loc 1395)

ある現象を分析するにあたって結果だけを見て、都合の良いデータだけを取り上げると間違えてしまう。(Loc 1434)

特に若い人は、お金を貯めようとするより、まずはお金を稼げる力を身につける必要がある。ただの金持ちは嫉妬の対象にはなることはあれ、尊敬の対象になるとは限らない。人が尊敬し羨望するのは人が持っているお金に対してではなく、人が持つキャッシュフローを生む力に対してである。(Loc 1944)

ヒトが一番キャッシュフローを生む力を有している。ヒト、モノ、カネの順番はキャッシュフローを生む力の強さの順番なのだ。(Loc 1983)

研修をしてもそのままではすぐ忘れると言われており「追加投資やメンテナンス」も実は必要だ。(Loc 1998)

あなたを裏切らない財産はあなた自身(Loc 2070)

京都の龍安寺に「吾唯足知」と彫られたつくばいがある。「吾唯足知(われ ただ たるを しる)」と読む。私達はこれで充分、つまり「ごちそうさま」と言える心のゆとりを持つべきではないか。 「吾唯知足」は釈尊が説いた教えである。「足ることを知る人は、心は穏やかであり、足ることを知らない人は、心はいつも乱れている」と言われる。(Loc 2095)