私の実家は祖父が熱心に浄土真宗に関わっていたが、亡くなってからは仏教との関わりがどんどん薄くなっている。普通の日本人なら宗教というと葬式やお盆、法事、お墓参り程度で意識する程度だろう。

わたしはワイフがクリスチャンである。まさかキリスト教と縁のある生活になるだなんて思ってもいなかった。キリスト教は、通常の仏教と違い、宗教が日常の一部だ。毎週日曜日に教会に行く。私もワイフに付いて時々教会に行く。結婚式は普通の人がやる「なんちゃってキリスト教ウェディング」ではなく、きちんとした教会での「本物キリスト教結婚式」だった。ワイフの実家もクリスチャンホームなので、誕生日やらクリスマスやらで食事をしたりするときにお祈りに付き合わされる(目を閉じ、手を組んで「神様、感謝します」みたいなことを言う)。

私は教会もキリスト教的な付き合いも、あまりに濃密すぎて正直好きじゃなかった。しかし『キリスト教のリアル』(松谷 信司、ポプラ信書、2016)を読んで少し考えが変わった。

いつも行く教会はプロテスタントだけど、疑似家族的な風土はプロテスタントの特徴らしい。カトリックだともっとドライになるという。実際プロテスタントのそういう濃密な人間関係が嫌になってカトリック教会へ移る人も多いらしい。私は自分が行く教会だけでキリスト教全体を判断しそうになっていたが、実はそれが一面の真実にすぎないことに気付かされた。これだけでも本書は読む価値があった。

他にも本のタイトル通り、教会のリアルな事情が書かれており、教会と関わりがある生活をしているぶん、「牧師さんはこんなに大変なんだなあ」といろいろ知るきっかけになった。

キリスト教を全く知らない人にも、読みやすい本なのでオススメしたい。

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